博士への道 (失敗編か?)


先達、いとぢゅん博士が誕生して半年が過ぎました。 いよいよふくだも謎の戦線に参加することと相なりました。 しかしながら、先人達と比較するとふくだはスタートがかなり遅かったので、 どうなることやら...
このログは慶應義塾大学大学院理工学研究科計算機科学専攻、 平成10年度の後期博士課程の場合です。 (注意: 単なるログです。嘘を書いて人様をだまそう等という気は 毛頭ありませんが、間違っている可能性は0ではないので、少しでも怪しいと思ったら 自分で確認してください。)
Last-modified:
(7/19) しかし(客員)指導教授には、以前、 "客員でも主査になれるから大丈夫"との確約をもらっていたのだが、あっさり 反故にされた経験があるので、他の(常任)教授に聞いてみる必要がありそう。
(7/19 〜 9/19) 夏休み(うそ)。
(9/19) 2ヵ月ぶりに(客員)指導教授に会う。 いきなり、セミナーの準備しといてねと言われて焦る... どうやらセミナーはやる気になった後に、指導教授が次の教室会議(教授会?)で 手続きするらしい。また書類を用意する必要があるらしいのだが、 客員教授つき秘書さんが使えない人なので、自力でなんとかする必要がありそう。 教務課かどっかに書類があるという噂。
専攻の担当は大野先生らしい。これは去年と同じだけどいつまで同じかは知らない。
ちなみに1本も通ってない状態でもセミナーはできるようだ。 ふくだは、この時点でまだ1/2である。あと2本ジャーナルを出しているので、 もう1つ通れば勝ち。
さらにこの後に及んで、もう一本論文を書こうとしているふくだに取っては、 いつまで研究モードで良いのかいまいち不明。 (客員)指導教授いわく、11月はたぶん論文書きだけで終っちゃうから、 10月の前半までになんとかした方が良いとのこと。
(9/21) 教務課から博士学位論文日程をもらう。日程表によると平成10年度は、 らしいので、最悪1/7までにD論を仕上げないといけないということのようだ。 これに至るまでに主査・副査の先生方の査読があるので、実質11月中に書かない とダメのようだ。 1/7に出すのはクリティカルなので年末までに出すべし (by itojun)
ちなみに審査料は、 おい。なんで10万も取るんだ。
(9/25) どうでも良いけど、某大学某研究室の(客員)指導教授の 来所予定。 よその人にはない悩みかもしれませんが、 こんなに来ない人なので、捕まえるタイミングがかなり問題。 (客員)指導教授は学生の都合で会社を休んでくれそうにないので、 セミナーも公聴会もこの日程で組まないといけない。 まだ書類書いてないです。セミナーの開催申請にあたって論文要旨、論文リスト、 履歴書が必要なのでそろそろ準備しないといけない。でも、 論文タイトルを相談しましょうと(客員)指導教授に言われたので、 まだそれいぜんのレベルである。
(10/17) 先週, (客員)指導教授にミーティングの約束を反故にされたので, 今週ミーティング. 結局, ミーティングというのは早く学習指導の先生にセミナの予約をしなさいという だけだったので, まーーーーーたっく意味なし. この数週間. 早くセミナの申請をしなければ... 大野先生が今日いないのが悔やまれる. とりあえず, 書類一式の原稿は書いたが, 書式が決まっているのかが謎 (特に履歴書. 現在は, rireki-1.2のお世話になっている).

(客員)指導教授の独断と偏見による主査・副査の候補; 数学寄りのE先生, ネットワークがわかるであろう A先生 or Y先生, フラクタルがわかりそうなO先生, (客員)指導教授, 数理か物理のどなたか(物理のY先生だけは本当に本当に勘弁してほしい...), 外部のどなたか(なくても可) あたりだって. なんかちょっと違う気もするが, こちらに選択の余地はあまりなさそうなので, まぁいいや.

昼飯時に聞いた(客員)指導教授 情報.

日頃, お世話になっているT先生情報.
(10/20) 昼御飯中のO, Y先生を襲撃して, セミナ申請用書類を受け取って頂く. 最短だと11/9がセミナになるとのこと. でもそんときは, (客員)指導教授は 海外出張中だったようなのでどうなるかまだ未定.

O,Y先生の独断と偏見による主査・副査の候補; 去年先達が苦しんだネットワークがわかると噂のD先生, ネットワークがわかるY, A先生. 藤沢で(慶應でか?)偉い方T先生. あと (客員)指導教授と, 外部のどなたか. (客員)指導教授の選定よりは現状を正しく認識しているような気がする(笑).

すったもんだの挙げ句に, セミナーが, 11/9 19:00からに決まりました. これもひとえに, めずらしく数時間以内に(客員)教授からメールの返事が来たおかげです. (19:30)


(10/27) 一週間に一度くらい書かないと, D論諦めたと思われるので, 経過報告. 今週から(本当の)指導教授が海外出張なので, セミナーの発表OHPの第一稿を見せに行く. だいたいOKらしいのでまぁ良しとしよう. 本文は, まだsurveyをたらたら書いている途中. 今週には終わらせないと...
本人の知らぬところで, (客員)指導教授と学習指導の先生との間で 主査をめぐる闘い(ちょっとオーバーか)が繰り広げられていたらしい (おばきゅうS氏情報).
通常は, 指導教授 == 主査だが, そうじゃない場合にはどうやら主査は適当に 決まってしまうようだ. 学習指導の先生の方から主査はxxx先生でいかがでしょうという メールが行った模様.
(11/9) セミナ修了. しかし主査決まらず. E先生に辞退されたらしい. 主査に逃げられるなんて信じられない. どうなるんだ... わたしのD論. 副査候補は, E, Y, A, T, および, 電気科のS先生. 論文二通目通ってないので, 具体的に全然決まらないらしい. 確実に一歩, 卒業が遠のいた.
(11/24 - 27) 二本目の査読結果が戻ってくる. 一人は全く問題なしでそのまま載せて良いという コメント(どう考えても真面目に読まれてないと思う), もう一人は基本的にはOKだけどいくつか直してねという コメント. ということで指摘されたところを急いで直してeditorに送り直す.
editorが知り合いだとやりとりが比較的スムーズに進む. もう一本の投稿論文はeditorが全く知らない人なので, 状況を教えてと聞いても, あまりちゃんとした結果を教えてくれないし, 査読者にプッシュしてくれそうな気がしない. 10月末に結果がでるという話だったけど, 未だに結果が出てないし... editorは重要である. 自分, 自分の指導教授, 自分のOB等の知り合いの 人脈をフルに使って, (言葉は悪いが)editorのおしりを叩いてもらうのは, 効果があると思われる. ふくだの場合は, 1本目, 2本目共にeditorが知っている人だったので, 非常に融通がきいて助かっている.
(11/27) D論が80ページに達した段階で, いつもお世話になっているCSLの塩野崎さんに 査読をお願いする. 100ページは書いてよねと言われているのだが, なかなか進まない. まだ, baselinestretchや, figureのscaleで がんばるには早すぎるし:-). 昨年の先人の記録によると12/10が第一稿の〆切になっている ので, それを目標に現在, 道なき状態で書き続けている. というか, わたしの場合未だに主査が決まらんので, その当然の帰結として 主査・副査への〆切が決まらないのだ. でも教務的な〆切は決まっているので, あたりまえだがそれに 間に合わせなければならない. どうすんねん. 早くなんとかしてくれないと最後のがんばりが かけられない. 学部・修士の時は, 何人も一緒に書いているので, 相対的なスピードからやばさを算出できるのだが. あと, そろそろ教務に提出する書類の準備をする必要がありそうだ(別刷りなど). 師走も大変.
(11/29) 昨日, 書かなかったけど指導教授とミーティングしました. 審査開始請求を教務に提出するためには, 計算機科学専攻の教室会議でOKがでないと ダメらしい. ということで, 年内の教室会議の日程を調べて学習指導の先生に お願いしないといけない. 必要なものは, 論文要旨, 履歴書, 論文リスト, (もしできていれば)D論 とのこと. ふげー.
(12/8) 隣のA先生と廊下で話. 審査開始請求は計算機科学専攻の教室会議を通さなくても良いとのこと. セミナが合格なら自動的にCSではOKなので, 審査開始請求して良いらしい. やっぱり一月の始めはcriticalなので, 12月中に大学的な処理は行いなさいとの ことで, このへんは万人が一致した意見のようだ. しかし, なんか情報が錯綜している. もう一人くらいサンプル数を増やした方が 良さそう.
A先生に, まだ主査決まってないないって言ったら, それは"非常にまずい"ので急いで 学習指導の先生にお願いした方が良いと言われる. "まずい"って言われたってぼくのせいじゃないと思うんだけど... どうやら, 決めてくれると思っていてはいけないようだ.
ということで, 学習指導のO先生の行方を探す. おぉ, O先生なんと3日もメール 読んでないよ... ピンチか?.

と書いていたのだが, O先生は居室にいたので話をする. そこで驚愕の事実が... 実は(客員)指導教授が11/28の段階で, ほかの先生方にいろいろ(?) 図ってくださったらしく主査は決まったらしい. しかしそういう情報はできれば, はやく教えてほしいなぁと思うのであった. ということで問題ひとつ解決. O先生には論文いつ書き終わるかという質問を受ける. なんか知らぬ間にdeadlineが近付いているようだ. 主査の先生にも挨拶に行かねば.


(12/14) ようやく, 主査のY先生と話をする. Y先生は実はセミナに来てなかったので, もう一回一時間ほどプレゼンもどきをする. Y先生いわく欠席裁判で貧乏クジをひかされた結果, 主査になったそうです. (^^;
審査開始請求は1/7にやることになり, 12/21までに論文を書き上げなさいとの こと. 請求を出すには, 論文二本ともに採録通知が手元にあることが必須だそうです. (まだ通知は一本しかきてないので催促しないといけない...)
Ph.Dなんだから, ちゃんと研究に対する哲学もにじみ出させてねという 難しいことを言われる. えぐい...
(12/21) D論1st versionを主査・副査の先生に提出. これからは待ち状態.
(12/22) 昨日渡しそびれた電気科のS先生にD論を渡す. 他学科の先生で, 当然セミナにはいなかったので, 一時間ほどプレゼンをする.
催促したのに二本目の採録通知がまだ来ない. と思っていたらメールがきて, reviewerの一人がvacationに入ってしまったので, 正式の書類を出せなくなったと 悲しいことが書いてある. うーむこのままでは, ほんとに1/7に間に合わない気がする. でもどうしようもないよなぁ...
(12/24) 主査Y先生に呼出し. 書類を書いて, 26日までに持って来いとのこと. けっきょく年内に, 審査請求出せませんでした. (;_;)
ついでに教務で語学確認試験合格証明証を申し込む. 灰色の汎用申込用紙に自分で語学...と書いて, 200円の証紙を貼って提出. 陰険な事務のおばさんに, できるのは1/7と言われる. うーんそういうものなのか?
(1/6) 二本目の正式な採録通知をもらう. editorががんばってくれたおかげである. 東の方に向かって感謝する.
(1/7) 書類を教務に提出. 本来は先生の電話一本で学生は勝手に教務に 行くものらしい. 今回は先生同伴で, 議案書もいっしょに提出. が... 日本語論文要旨のタイトルの書き方が間違えていると 言われて再提出するはめに. ただしくは, 日本語要旨に書く論文タイトルは, 英語で書いている論文の場合には, 英語タイトルの下にかっこをつけて日本語タイトル だそうです. 私は逆にしてしまいました... 最終日の場合には, (さすがに)事務の人も書類は受け取ってくれるようです. つまりあとで差し替えるということですね. ああ疲れた.
(客員)指導教授の予定次第だけど, 公聴会は2月の2週目になりそう. 卒論・修論発表の後かつ入試の前.
(1/8) 副査のS先生から直したものをいただく. 副査のA先生から20日まで待ってねメール.
(1/9) 副査の(指導教授でもある)T先生から 半分直したのをいただく. 主査のY先生からは月曜にもらう予定. もう一人の 副査E先生からはなんも音沙汰なし. 全部集まってから直す方が効率的な気がするけど, 待ってるとどんどん時間が少なく なってゆく... でもコメントの指示が複数の先生で異なる場合はどうするのだろう??? なかなか悩ましい.
午後, 突然教務から電話がかかってくる. 一瞬全てが終わったかと思ったが, 議案書に英語とタイトルがないけどいいのかという内容. これは僕のせいではないが主査の代わりに文句を言われる.
(1/11) 主査のY先生からコメントをいただく. でもあんまり読まれていない...
(1/13) 副査のT先生から残り分をもらう. でもあんまり読まれていない... あとは副査のE先生からもらわないといけない.
(1/18) 副査のE先生からメールをいただく. "特にコメントはありません" だって. 良いのかこんなんで...
(1/21) 副査のA先生からコメントをいただく. 途中で挫折されてしまった. しくしく.
(1/22) 副査のA先生から, 公聴会の日程を早く決めるようにとお達しをうける. 普通は主査(=指導教授)が決める手続きをやってくれるらしいが, 当然, そんなのを待っていると2月は終わってしまいます.
(1/27) 主査のY先生からお呼び出し. D3の場合は, 2/12までに来年以降どうするかについて, 教務に書類を 提出しないといけないらしい. 選択肢としては, このうち, 最初のと2つめ以降では書類形式が違うようである. どうやら1/7に教務にD論を出しておくと自動的に最初の用紙が配られるようだ. これを書いて提出するのが学生なのか指導教授(or 主査)なのかはっきりしないが, ふくだの場合は, Y先生が出してくれることになった(というより, 部屋に行ったら, 先生が既に書類を書き終えていた).
(2/1) 公聴会のお知らせが掲示板に貼られる. このお知らせがどのようにして 生成されているのかとか時期とかは全く不明である.
(2/6) 公聴会当日. ぜんぜんやるきが起きなくて, それなりの発表. 電気科のS先生からは, 特別講義を聞いているようだったと酷評される. どうやら, 非常に偉そうに話しをしないといけなかったらしい. 外国では, 公聴会は"defense"と呼ばれるらしく, その名前どおり, 先生たちが学生をいじめて, それに耐えられたら学位がもらえるということらしい. そんな雑談などで公聴会がおしまいかと思いきや, そんなに簡単ではなかった

まず, 語学認定試験に合格しているかどうかの確認を受ける. 次に, ``これより口頭試問を始めます''と主査が宣う. 非常に動揺してしまったため, 思わず, ``なんですかそれは?''と聞いてしまいましたよ.
後で, 聞いたことなのだが, 確かに学則には, 博士の学位を取るには,

となっている. つまり, 口頭試問はデフォルトなのです. ただ, この口頭試問をやるかどうかは主査(普通は指導教授だが)によって 異なるようです. いままでふくだの属する研究室の公聴会でこういうイベントが なかったのは, 単に指導教授がやらなかっただけのようです. Y先生曰く, 口頭試問の主目的は, 一般学識というよりは, その研究者に哲学を語らせることのようです. ちなみにふくだの場合には, "今後のインターネットの発展をどう考えるか?"とか, "電話屋が持っているATM網とインターネットの融合は今後どのように進むと 思うか?"などの多少抽象的な質問を主査・副査から一つずつ受けました. あんまり何を言ったか覚えてないのですが, まぁつまらなきゃ大丈夫のようです.

口頭試問の後, 学生たちは部屋から追い出されて, 先生方だけで審査会が行われました. 内容はもちろん知りませんが, 30分後に出た結果は可もなく不可もなく合格でした (ふぅ...). その後, 指導教授に呼ばれて, 公聴会の審査結果を書けとのお達しを受けました. 修士の時も自分で書いて良いのかと思うのだが, ふくだの属する研究室では そういうものだとの認識になっております. 笑ってしまうのは, 自分で, "以上要するに、著者の研究は、xxxを示し、xxxな重要なモデルを与え たものである。これは著者が研究者として卓越した研究能力及びその基礎とな る豊かな知識を有することを示したものと言える。よって本論文の著者は博士 (工学)の学位を受ける資格があるものと認める。" と書かないといけないことです.:-)


(2/16) 論文の最終バージョンを製本屋さんに持って行く. ヤマザキ製本所は3日くらいでできると電話では言っていたが, 午前中に直接原稿を持って行ったら, 明日の夜にはできるとのこと. 指導教授 != 主査なので, 4部お願いする(24000円は後払い).
(2/19) 論文を教務に提出. 審査報告のフォーマットがあってないということで もめる. 所研に伝わるフォーマットはたしかに他の人びとのとは違うようです (論文リストや論文要旨なんかも違う). しょうがないので, stylefileを一部書き直して再提出するはめに (改良版はそのうちどっかに置きます). さらに, 審査報告と一緒に語学認定および口頭試問の結果が合格 だったという書類が必要らしく, 提出しなおしを命じられる. 語学認定の合格の書類は, 論文タイトルと名前と主査副査の部分だけ 切り貼りしてコピーを取って提出する. 切り貼りに関してはとくに問題には なりませんでした.
もはやふくだにできることは何もありません. あとはただ神に祈るばかりです. 最終結果の出る教授会は3/4です.
(3/4) 待ちくたびれましたが, 無事 教授会で了承されました. ここまで長かった...
(3/5) コピント日吉にソフトカバーの注文しにゆく. やっぱり, たくさん刷っても少しでも 紙代以外はほとんど変わらないらしい. A4で100部注文. 再来週の頭に完成予定.

今までの経過

なにを?いつ?
二本目のjournal submit1998/5/??
三本目のjournal submit1998/8/??
セミナの申込1998/10/20
セミナの日付決定1998/10/20
セミナ. 観客が少ない(5人).1998/11/9 19:00-
二本目のjournalの直し1998/11/24
主査決定1998/11/28
主査とうちあわせ & プレゼン1998/12/14
主査・副査に論文提出1998/12/21
(外部の)副査にプレゼン1998/12/22
二本目のjournalの正式な採録通知
(なんてクリティカルな...)
1998/1/6
教務に書類提出1999/1/7
公聴会1999/2/6 18:00-
製本所へ1999/2/16 10:30
教務へ1999/2/19 14:30
教授会でOKもらう1999/3/4 19:00


偉大なる先人の記録
げんじつとうひ日記へ


励まし、お情け、罵詈雑言、要望等ありましたらお便り下さい。
ふくだけんすけ < fukuda@mt.cs.keio.ac.jp >